小林攻成田市長の施政方針
平成18年度3月定例議会が2月10日より開催されました。開会初日に小林市長は平成18年度当初予算を提案するに当たり、予算案を編成する中での骨格として施政方針を述べられました。 その施政方針を要約して示すと以下の通りです。それでもだいぶ長くなりますが是非読んでいただきたいと思います。
平成十八年度施政方針
平成十八年二月十日
平成十八年三月定例市議会の開会にあたり、成田市政を預かる者として、平成十八年度の施政方針と所信の一端を申し上げ、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご支援をお願い申し上げる次第であります。
本市においても多くの大規模事業を抱え、厳しい財政運営を余儀なくされる中、平成十八年度の予算編成にあたりましては、下総町・大栄町との合併に伴い、財政の健全性の確保及び効率的な財政運営を基本として、一般会計では、四百九十五億円、特別会計、水道事業会計を加えた全会計では七百六十三億円の骨格予算を編成し、市民が主役のまちづくりを基本理念に、「空港(そら)・交流(ふれあい)・希望(ゆめ)創造都市成田」をテーマに、「個性かがやく交流都市」、「夢をはぐくむ共感都市」、「緑うるおう環境都市」を目指す成田市新総合計画の実現に向け、鋭意邁進してまいりたいと考えております。
以下、平成十八年度予算の主要な事業と施策の概要について六つの基本方向に基づき申し上げます。
まず、「世界との交流拠点として市民が誇れる都市づくり」についてであります。
成田国際空港は、世界の航空ネットワークを支える拠点空港として、その役割を果たしているところであります。
今後も、アジア近隣諸国の経済成長や交流の拡大等により、首都圏の国際航空需要は伸び続けることが予想されるなか、昨年八月平行滑走路の北側延伸が決定されました。
平行滑走路の二千五百メートル化は、国際拠点空港としての役割を十分に果たし、増大する航空需要に対応するためにも必要不可欠であると認識しておりますが、北側延伸により新たな騒音、環境問題等が発生し、北側地域の住民の生活に深刻な影響を与えることから、騒音対策、共生策等を実施していく中で地域住民の皆様のご理解とご協力を得ながら、市の最重要課題として全力で取り組み、平行滑走路の早期完成に向け努力してまいりたいと考えております。
また、空港機能の一層の充実についてでありますが、去る二月四日、成田新高速鉄道並びに北千葉道路の着工式が執り行われたところであり、一日も早い完成にむけ、今後も両事業の一層の推進に協力することはもちろんのこと、仮称ニュータウン北駅周辺整備、土屋新駅の設置、地元対策についても、引き続き積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
さらに空港に関連した都市機能の充実という面では、JR・京成成田駅中央口地区の整備の推進、都市計画道路、大蕪新宮線、赤坂台方線や南三里塚駒井野線をはじめとする幹線道路整備事業の推進に努めてまいります。
次に公共交通機関であるバス運行の改善強化を図るためのコミュニティバスについてであります。
昨年から実証運行が始まっておりました遠山ルート、大室・小泉ルート、水掛ルートの三路線につきましては、本年四月から本格運行に移行いたします。
また、合併に伴いこれら三ルートに、既に運行している下総、大栄地域のコミュニティバスも加わり、新市においては五路線が運行することとなります。
今後も引き続き市民の足となるバス運行の改善強化に努力してまいりたいと考えております。
次に「市民がいきいき働く活力ある産業の育成」についてであります。
本市は、毎年数多くの参詣客が訪れる全国屈指の名刹成田山新勝寺、義民佐倉宗吾で有名な宗吾霊堂といった歴史的観光資源を有し、さらに年間三千万人以上が利用する「成田国際空港」を有する全国でも有数の国際観光都市であります。
そこで、これらの観光資源を有効に活かすため、新たに駅や新勝寺等、市街地を循環するレトロ調のバスを運行し、観光客の誘致を図ってまいりたいと考えております。
また、門前町としての風情と景観の残る表参道地区の整備については、昨年、上町地区が国土交通省の都市景観大賞で「美しいまちなみ優秀賞」を受賞するなど高い評価をいただきました。今後も、地区の特性を活かした街並み・街づくりに努力してまいりたいと考えております。
また地域と空港の共生に向けた事業の一環として整備した「さくらの山」は空港周辺の人気スポットとなり、予想を超えて来訪者が増加しております。そこで、現在の狭隘となった駐車場を拡張整備し、観光客の利便性の向上に努めてまいります。
次に、商工業の振興についてであります。
中小企業を取り巻く経済環境は依然として厳しい状況にあります。このような中、中小企業者の資金調達に支障が出ないよう中小企業資金融資制度の運用を迅速に行うとともに、利子の一部を補助することにより利用の促進を図ってまいります。
また市内商工業の総合的な発展を図る観点から、企業誘致を推進するとともに市内商工業団体に対し助成を行い、商店街の振興、地域の活性化に努めてまいりたいと考えております。
次に農業についてであります。
農業を取り巻く環境は、農業従事者の高齢化、担い手の減少、輸入農産物の増加等による価格の低迷など、依然として厳しい状況にあります。
平成十八年度は、下総町・大栄町との合併に伴い、農業生産も大幅に増加し、農業の活力も高まるものと期待されていることから、それぞれの地域の持つ特徴を踏まえ、担い手の育成支援の取り組みを中心に、経営体育成支援などの各種事業を実施するとともに、農地の利用集積の加速的推進に努めてまいります。
そのほか、関係機関・団体との連携を図りながら農業生産基盤整備など、諸施策の推進を図るとともに、農業の一層の振興に取り組んでまいります。
次に、「市民一人ひとりの健康で生きがいを持った生活の支援」についてであります。
本市では、次代を担う子どもを安心して産み育てることのできるまちづくりを目指して、これまでも子育て家庭を支援するため、児童ホーム、こども館、子育て支援センターを設置し、積極的に子育て支援に取り組んでまいりました。
平成十八年度も次世代育成支援行動計画に基づき、四月に開校する公津の杜小学校内に児童ホームを開設するほか、現在建設中の美郷台小学校にも児童ホームの設置を進めてまいりたいと考えております。
また、子ども館、三里塚コミュニティセンターの「なかよしひろば」を活用した児童保育など、子育て支援事業の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。
更に、子育てに対する経済的な支援策として、これまでも乳幼児医療費の助成を行ってまいりましたが、平成十八年度より四歳未満児までであった乳幼児医療費の通院にかかる助成範囲を、小学校就学前まで拡大することで、子育て家庭の医療費負担の一層の軽減を図ってまいりたいと考えております。
次に、高齢者福祉についてでありますが、高齢者の方々が生きがいをもって地域で健やかに安心して生活できるよう、各種福祉サービスの充実に努めるとともに、介護保険法の改正に伴う新予防給付及び地域密着型サービスや地域包括支援センターの創設等、新たなサービス体系の確立を図ってまいります。
次に、障がい者福祉につきましては、平成十八年度より制度の一元化を図った障害者自立支援法が施行されることから、障がい者の方々が必要とする福祉サービスに係る給付や地域生活支援等の充実を図り、住み慣れた地域で安心して日常生活が送れるよう支援してまいりたいと考えております。
次に、「市民が地域文化を愛し、次代を担う心豊かな人材を育む」についてであります。
本市は、合併により学校数が現在の二十八校から四十校へ、児童生徒数が約八千名から一万名へ増加いたします。このような大幅な増大に伴い、児童生徒一人ひとりにきめ細かな学習活動の支援を行うため、引き続き少人数学習推進教員、健康推進教員を配置し、児童生徒の興味や関心そして習熟度等に応じた少人数による学習指導の推進、学校生活の心身両面にわたるサポートを行うとともに、日本語教育補助員、養護補助員を配置し、特色ある学校づくりの推進と確かな学力と豊かな心を育む教育の実施に努力してまいりたいと考えております。
特に、本市は平成十五年に「国際教育推進特区」の認定を受け、小中学校に外国人英語講師を配置し、実践的な英語教育を行い、英語によるコミュニケーション能力の基礎を育成してまいりましたが、平成十八年度は、特区の指定校を小学校八校から二十校に、中学校は一校増えて二校に拡充し、英語教育の一層の充実発展に努めてまいります。
次に、児童生徒の安全対策であります。
近年、子どもたちを狙った不審者の声かけや連れ去り事件が頻発し、重大な事件に繋がる犯罪が増えております。子どもたちの安全を確保する仕組みの一つとして、学校から保護者へ子どもたちの安全に関わる犯罪や災害等の緊急情報を携帯電話や家庭のパソコンに即時に通知する学校情報配信システムを全小中学校四十校に導入し、学校と保護者を繋ぐ緊急連絡体制を構築し、児童生徒の安全確保に努めてまいりたいと考えております。
次に、学校施設整備についてであります。
児童の増加している地域の教室不足を解消するため、本年四月に開校する公津の杜小学校に引き続き、美郷台小学校の建設を進めるとともに、変則的な教育環境での学習を余儀なくされている久住中学校の建設を推進してまいります。
次に、生涯学習の推進についてであります。
多くの市民が生涯を通じ、学ぶことの喜びを知ることは、地域文化を育てるために大切なことであります。
本市では、これまでも生涯学習推進計画に基づき、明治大学・成田社会人大学、生涯大学院、家庭教育学級など、多様な学習機会を提供してまいりましたが、これからも多くの市民の学習意欲に応えるため、市のホームページである学び&ボランティアサイトなど、インターネットの活用を図り、市民の学習環境の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。
また、生涯学習の拠点となる図書館、公民館の充実に努めるとともに、市民ニーズに対応したサービスの提供、また講座や教室、セミナーの充実を図ってまいります。
特に、平成十八年度は、図書館利用者の利便を図るため自動貸出機等を設置するとともに、インターネット予約の稼動に向けてシステムの更新をしてまいります。
次に、生涯スポーツの振興についてであります。
昨年は、全国高等学校総合体育大会「ちばきらめき総体」が開催され、特に陸上競技においては、成田高等学校陸上部男子が全国優勝を果たしました。
また、今年に入ってからは同校野球部の第七十八回選抜高等学校野球大会への出場が決定するなど、成田市民にとりまして、夢と希望が大きく膨らむうれしい出来事が続いております。
本市といたしましても、スポーツを愛し、スポーツを通して健康な心と体を育み、明るく豊かな成田市を築くことを目的とする「スポーツ健康都市宣言」の趣旨を踏まえ、今後とも市民スポーツ・レクリエーション活動の推進とスポーツ施設の整備・充実に努めてまいります。
次に、「市民が安全、安心、快適に暮らせる生活環境づくり」についてであります。
市民生活の安全を確保し、安心して生活できるまちづくりを推進することは、行政に課せられた責務であると認識しております。
まず、防災においては、合併による市域の拡大や近年発生した大規模災害を踏まえ、成田市地域防災計画の修正作業を円滑に進めるとともに、住民参加体験型の防災訓練や航空機事故における市職員の危機管理能力、災害対応能力の向上を図るための図上訓練を実施し、市民の防災意識の高揚や地域の防災力の向上を図ってまいります。
次に、私たちの身近で発生する犯罪の未然防止にかかわる取り組みであります。
地域における安全対策の充実を図る観点から、市民と行政との協働による防犯巡回指導員等市民ボランティア組織の拡充と活動の強化を図り、市民が安全にそして安心して暮らせるまちづくりを推進してまいります。
次に、わが国への武力攻撃に対する市民の生命、身体及び財産の保護についてであります。
平成十六年に「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」が制定され、市町村においても、平素からの備えや予防、武力攻撃事態等への対処、復旧等について計画を定めることが義務付けられました。このことにより平成十八年度は、成田市国民保護計画の策定を進めてまいります。
次に、消防体制についてでありますが、下総町、大栄町との合併に伴い、新たに大栄消防署、下総分署が加わり、一本部四消防署三分署体制となることから、一層の組織の充実に努めるとともに、施設整備の面では、仮称でありますが、公津消防分署の建設、大規模地震における消防水利の確保を図るための耐震性防火水槽の設置や機材の充実に努めてまいります。
また、救急救助業務については、高規格救急自動車の更新及び救急救命士の育成、市民への応急手当法の普及を図るとともに、大栄消防署にも消防隊兼務の救助隊を配置し、救急救助体制の充実強化を図ってまいります。
次に、新清掃工場の建設についてでありますが、平成十七年度、小泉地区の皆様のご理解とご協力によりまして新清掃工場整備事業が本格的にスタートをいたしました。平成十八年度も引き続き周辺環境に対する環境影響評価手続きを進めるとともに、より安全で安心かつ無公害に徹した施設とするため、機種選定を含めた施設整備計画を進め、本格的に施設建設の骨格づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
また、ごみの焼却により発生する熱エネルギーの有効利用、さらに市民の交流の場となる付帯施設の建設につきましても、早期の完成を目指してまいりたいと考えております。
次に、騒音対策・共生策につきましては、空港の民営化後においても後退することがないよう、引き続き適切かつ確実な実施が確約されているところでありますが、今後とも、きめ細かな騒音対策の実施、騒音監視体制の整備等更なる充実に努めてまいります。
次に、「市民と行政が協働する効率的な自治体運営」についてであります。
本市では、本格的な地方分権社会を迎えるにあたり、市民の満足度の向上をめざすとともに、市民の行政ニーズに的確に応えるため、限られた財源の中で市民にとって真に必要なサービスを、効率かつ効果的に提供できる自治体運営を展開してまいりたいと考えております。
平成十八年度は、その一環として納税者の利便性と収納率の向上を図るため、コンビニエンスストアで市税や国保税の納付が可能となるほか、住民票・印鑑証明の自動交付機を本庁と三里塚コミュニティセンターに設置し、窓口の混雑緩和と住民サービスの向上に努めてまいります。
平成十八年度は、下総町、大栄町との合併により、新生成田市が誕生し、新たな成田の歴史がスタートする合併元年となる年であります。
私も市政を預かるものとして、新成田市十二万市民一人ひとりの幸せと新たな時代における新生成田のさらなる発展を目指して、市政運営に全力を傾注する覚悟であります。
市民の皆様のご理解とご協力を心からお願い申し上げまして、私の施政方針といたします。
以上ですが市長の施政方針です。
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